ひまわりっ!! 第13話「決戦!主従の契りは永遠に」

 二回目で涙ボロボロ。
 ポイントというかポエムは次の3つ。

  1. 好きなことより大事なことがある。
  2. 不安や欲望を無意識に煽られてコントロール
  3. お互い素直に共感して共闘する。

 結論にはなっているのだが、この作品に込められたメッセージはもうちょっと別のところにあるわな。まぁつきよ姫が最後に意味深な台詞を吐いているのがそうだろうが。忍びの森学園は再建されなかったようで、各々、特技をいかしながらやりたいことをやっているというのが、以前忍者としての自分のあり方をリストラしてみせたひまわりに呼応していた。
 それは結局背広の男が目指していたこととは反対の方向なんだよね。彼は製薬会社での立ち位置を重視していて、そのためには人を操って自分の都合の良いように忍者たちの特技を使うよう強制しているわけで、彼にとっては良いものかもしれないが、彼以外の者は全然メリットが無い。彼にこき使われる忍者たちは強くなるために異能の者になることを選択強制させられているだけであって、自分の望むべき姿として異能の者を目指したわけではない。当然大衆は背広の男の商品を異能の者によって無理やり押し付けられて金や人間としての大切なものを奪われることになる…という構造なんだろう。
 第一期でのほほんと、しかしゆったりとした幸せな時間を共有したという描写があったからこそ、ひまわり達が半ば当然のように危機を恐れず友人たちを助けるというのは自然だった。もうキャラが溜めで発言しているときの周囲は、もう彼なり彼女なりが言う言葉を待ち構えているんだよね。ここでこういわなきゃもう人間じゃないよね?という感じ。ヘンな話“逃げる”という選択肢は無いに等しいんだけど、この強制はむしろ美しいんだよね。
 しきみがひまわりに次ぐサブヒロインとして優遇されてましたな。物語中では他のキャラとの差があんまりないんだけど、物語上ではいわばいじられ役として他のキャラよりはスポットライトがあたり気味ってところか。ひまわりに助けられてバカという台詞は実は師匠のツンデレ具合を受け継いだものであったという構成が微笑ましい。
 見出すと止まらないし、ぐっと惹き込まれるんだけど、じゃぁ見たくてしょうがないかというとそうでもない不思議な作品だった。のんびりとした作風でありながら、実は社会に切れ込んでもいるし、我々がなすべきことの提案も強くなされていて力強い印象を受けた。自分はもうそういう体勢で視聴していたからいいんだけど、大抵の人はヘンテコな展開とちょっとした説教臭さが鼻についていたかもしんない。第一期がたいした変化も無く終了した直後は正直ポカーンだったが、風呂敷の展開法はよくできていたと思う。それでも第一期の放映時には当時の作品の中でも一位二位を争う好評価をしていたと思うし、その勢いは第二期にもあったと思う。ただ、人を選ぶ作品ではあるわな。おもろ+。
 ストーリー部門のスタッフはホントおつかれさまということで。もっとこういう作品を待ってます。そしてあれほど素人っぽかった松本華奈の演技も途中からアレでなくてはと思ってしまってましたよ。最終回の今回も好演。もちろん他キャラの微妙な演技もよかった。音楽も凝っていて、特にED曲はヴァラエティに富んでいてお気に入りでしたよ。