のだめカンタービレ 第6話「Lesson6」

 シュトレーゼマンが千秋の依存に業を煮やして突き放すの回。
 なんつーか、シュトレーゼマンの道楽ぶりにごまかされそうになるんだけど、なかなかの考えだとは思う。千秋の才能を見切ったからこその行動だとは思うんだが、千秋のパラメータ値が隠れていて、ただのどたばたに見えてしまうのも面白い。
 楽団員の言うように作曲者の意図をつかむこともなるほど大切ではあるのだが、基本の音がどうしようもないのでは本末転倒であるというのも事実。千秋が専制君主に戻ったということで楽団員がぶーたれていたが、音楽家としての真理はたぶん千秋のほうにあるのだろう。難しいのは千秋がシュトレーゼマンに頼ろうとしていた(突き放されることでそのステージを千秋自身は脱してはいるのだが)のと同様、楽団員が自分の下手な音に向き合おうとせず、楽しさで曲に取り組もうとする段階というのが巧妙に視聴者には隠されていることなんだよね。楽しさとか表面づらのやさしさだけで対応しても楽団員が自分を見つめなおさない限り限界を突破できないというオーケストラとしての課題があって、千秋と楽団員がそれをどう乗り越えていくのかが次描かれるのだろう。ちょっとした外しが多くて気を逸らされがちだが、結構真剣に描写しているわな。