RED GARDEN 第17話「真実」

 戦闘後のあの場所は、基礎を掘り出すところからやり直さなきゃならないのか?。
 なんかいろいろ詰め込まれておりましたな。しかしそれが窮屈にはなってないのはさすがというべきか。
 サラが口だけの親友ではなくなっているようです。こうなると前回ケイトが隠し事をしていることがばれてしまったジェシカの様子も見たかったような気はする。なくても困らないが。
 秘密を結局全員に知らせてくれというのは極めてアメリカンドラマ的だなぁと感じた。日本なら上司に当たる人間は極力部下に秘密を明かさず、踊らせるだけ踊らせて事態が悪くなると通常ポイ、万が一部下がそれを逃れても上司に食ってかかる描写が多いと思うのだが。まぁここらへん厳密な意味での契約社会で、都合のよいことも悪いことも全部伝えて相手に判断させた上で責任も負ってもらうという、西欧にしては評価できる部分と思う。日本はなぁなぁで、事態が上手くいっている時には部下は察して動く上司はそれを信頼するの関係がうまくいくが、ダメなときにはとことん雇用者側に都合がよくて社会全体が壊れるってことに。そして今壊れている真っ最中。
 むしろ日本ドラマらしき部分、というかアメリカンドラマにありがちな、自分勝手に動いて人間関係がドロドロになるってのはあんまり感じられないな。まぁレイチェルにあたるのがそれだとは思うんだけど、バカすぎて救えない感は極力薄まっているっていうか。高校生が毎晩宴会パーティーに明け暮れ、勉強もせずにだらしない人間関係のお勉強ばかりしているというアレですよ。そしてドラッグに溺れたりDVがどうのか人を売っただの騙しただのの'90年代ぐらいから日本に紹介されてきたアレなんだが、それはレイチェルが成長を見せているだけに日本人の私にも嫌悪感はない。遊んでばかりいるからバカになるんだ、しっかり勉強していればこんな事にはならんだろう普通、で終わってしまう話がそうでないのは感心。
 あんまり「よりよい人間関係とは」という視点だと堅苦しくていけないが、しかし日本の指導者層や経営者層が自分の保身に明け暮れて頓珍漢な社会観を示してみたり、罪のない人間ばかりに責任を押し付けたり使い捨てにしようとしているのに比べ、アニメスタッフのほうがよっぽど現実を見据えて社会を建て直すための方向性を示しているように見えるのは私の錯覚なんだろうか?。脚本家がそんなに世間の泥にまみれて十分な経験をつんでいるとも思えない、すなわち世間知らずといっても過言でないとは思うのだが、それでも上から頭ごなしに物を垂れる層よりはるかに優しさだけでない厳しさも兼ね備えた提言をしていると思えてしかたがないのだが…。