格闘美神 武龍 REBIRTH 第25話「毛家の看板背負ってます!」

 まぁ、美しく終わったということで…。
 蛇足ってほどでもありませんが、やっぱり物語も勝負も前回で終わっていたようです。もうちょっと格闘技らしきオーバーアクションを見せてもらえるかと思っていたのですが、交歓会程度でした。言わせてもらえば、世紀の対決で目を離してはいけなかったのは奇跡の拳の発動までだったというか。後日譚も無難な作り。Aパートは間延びした感じでしたが、Bパートで物語が静かに閉じられたと思います。もうちょっと毛蘭の美しい結論が聞けるかと思ったのですが、そうでもなかった。でも無理やり視聴者に納得させるようなモノローグよりは、今までの描写で語りつくされているから各自で余韻に浸ってくれというこのようなあり方のほうが確かに良い。
 無印からの継続で考えてみると、のめり込んでしまって戦いだけにしか目に入っておらず、毛混に勘当同然の扱いを受けてからの蘭の成長は、蘭自身が自覚していなかったせいか切実さには欠けていたものの、その分視聴者に不快なストレスを与えないで着実に描写されており、私が期待していなかった描写ではなかったがなかなか良かったんじゃなかろうか。説教臭いというか、教育ドラマ的というか、泥臭いというか、作品から受けるイメージとしてたぎる熱さは少なめで、洗練もあまりされていなかったんだけど、安心して見ていられた感じはする。スポーツ論(後述)についても、爽やかではあっても浮ついていなかったんじゃないかな?。退屈することが無かったわけでも無いですが、それでも無印よりは出来は良かったように思いますよ。山崎和佳奈の演技も、さすがに女子高生と言い張るのは無理があるんだけど、Rebirthでの蘭は勝った負けたにこだわったり、色恋で欲ボケしたキャラクターでは一切無いので、そういう落ち着いたキャラクターを演ずるには確かに良い配役だったと思う。個人的にはもうちょっと華が欲しかったという気はするんだけど、たぶん若手では見つからなかったんだろうな。
 多分、ターゲット層は格闘に興味のある中高生男子ぐらいだから、彼らに向けてのメッセージ性とか考えるとスタッフはいい仕事をしていたと思う。モロ格闘ファンに近い層だったら、いくら華やかだといっても女子高生キャラを使うよりは、ちょっと不良っぽい青年を使ったほうがいいんだろうな。しかしそういう層はアニメなんて見ないで実用を求める層はジムに通ったり、娯楽が欲しい層は夜の街を徘徊したりという判断なんだろう。狙いは大場君に近い層では?。まぁ馬鹿ウケすることはまず無いんだろうけど、ヒットというところにもうちょっとで手が届くってところの出来だったんじゃなかろうか。
 正直視聴するには私にとって壁がある作品だろうなと思っていたんですが、いざ実際に視聴してみると割と物語に没頭させてくれるのが意外でした。パンチラが無かったら今は亡き19:00〜のゴールデンタイムで放映しても悪くなさ*1そう。何のかんの言っても見てしまえば楽しい作品でした。おもろ。

*1:とうぜん小学生以下は切捨てだろうが。