貧乏姉妹物語 第1話「浴衣と花火とりんご飴の日」

 金朋は声を作ら(媚び)ないほうがいいような気がする。
 どうなんだろう。実は視聴前に甘噛みさんところで感想http://d.hatena.ne.jp/amagami/20060630#1151616599を読んでおりましたので、用心しながら見ていたのですが不安が的中したってとこでしょうか。いや、泣けはしたんですが薄ら寒かった。いちいちどこがマズかったのか指摘してもいいんですが、第1話だから姉妹の絆の提示をしようとこのエピソードを持ってきたかったんだろうと思い、今後に期待。いや絆の強さを描きたかったんだろうけど、すれ違いの場面からというのもかなりびみょ〜なきもするんですが。
 ルックス的にはきょうが大のお気に入りなんだけど、どうだろう?。やたらセーラー服から腹が覗くんですが、成長著しい時期で制服を買い換えられないで小さいまま着ているという表現なんでしょうか?。浴衣の後姿がやたら大人の雰囲気だったのでありえなくもないんですが、普通女の子の成長は小6から中1ぐらいで止まるはずなんで、購入時に一回りかもうちょっと大き目のにしていれば大抵は間に合うような気はします。まぁ部活動はやる暇がないだろうけど、バイトで体を動かす機会はあるから不思議ではありませんが。いや、喰うもん喰ってるんだろうか?。OPやED動画ではやっぱり黒タイツ姿がありましたよ。なるほどかわいい。バイトでは学校の体操服を着ておりましたが、洗い替えなどないんだろうなぁ。体育の授業とバイトの両方がある夏の日なんかどうしてるんだろうか。あの年頃だと汗臭いと気になるだろうし。というか頻繁に洗濯できるんだろうか?。
 さて、性格的にきょうは父親の、あすは母親の血をひいているんだろうなと想像しながら、物語の背景を考えてみたい。というか原作者のかずといずみがそこまで練りこんで考えているのかどうかといえば、そうではないだろうと思ってはしまうんですけどね。


 まず、貧乏生活を今選んできたことにどんな意図があるんだろう?と思いました。格差社会と言われてしばらく経ちますが、金はなくとも心豊かな生活は出来るんだということが言いたいのだろうか?。日本人の少なくない層は分相応な金を手に入れて必要のないモノを買ったり、そのモノ自体やそういう状況に振り回されてきたのは実際にあると思うんだけど、もう一度見直そうという感じなんでしょうかねぇ。貧乏人は麦を食えじゃないですけど、貧乏はつましい暮らしで我慢しろってメッセージかもしれないと穿った考えも浮かんできました。しかもテレ朝。・・・あぁささくれ立っておりますなぁ。
 性格的にとも言いましたが、家庭内での役割もきょうは稼ぎ頭としての父親、あすは家事担当の母親…っていうか、従来の日本の夫婦のあり方に近いものがあります。まぁああいう状況になって姉妹二人で独立した生活をしようと思ったらああなるほかはないと思うんですがね。というか普通は施設に入れられてしまいます。*1それはともかく、兄妹にしてしまうと妹萌えの作品になってしまうので、ここはやっぱりテレ朝木曜深夜のターゲット層である30代のオッサン向けと考えると、夫婦関係のメタとしてアニメプロデューサーはこの作品をひっぱってきたに違いない。独身向けには貧乏でもささやかな結婚生活ができるという提示でもあるし、所帯持ちはそもそも深夜アニメなんて見ないだろうというのはさておいて、別に夫婦生活の再確認や見直しと言った点でも夫婦ともども視聴してもおかしくはない(いや、嫁はんは引くと思うんですが)。まぁなんにしても罪作りな作品ではありますな。小市民的で手が届かないわけではない*2ところが特に。
 やっぱり原作が気になりますね。きょうが父親の役割を負っているからこそ、現代の女の子特性を排除されている部分もあると思うんですが、よくよく考えてみれば汗臭いからと言って消臭剤や香水をかけまくるって自分が高校生の時にはなかったことのように思うんですよ。トイレの音消しなんかも90年代になってからでしょ?。大局で見ればノスタルジーでしかないんだろうけど、かずといずみ自身が女性であることも考え合わせて、むしろ恋愛資本主義から外れたいわば醒めた女性群の考え方*3なんだろうか?とも思ったりしてとても気になるところではあります。


 演出というより効果はすごかった。水滴がついた窓ガラスにピントが合うとか日暮れまもない時期の描写とか、実は挙げるときりがないくらい技巧が凝らしてあって感心しました。でもね、キャラの作画を崩さないで話を練りこんでくれるほうがもっとありがたいんですよ。

*1:中学生でも働ける設定にしたのは、きょうとあすが二人暮しができる背景作りではあるんですよね。

*2:むしろ高望みしなければだれにでも実現可能

*3:商業誌に連載といった時点でいろいろ前提を押さえとかなきゃなんないだろうとは思いますが。