ARIA The NATURAL 第7話「その 猫たちの王国へ・・・」

 Bad Gatewayってなんだよ。全部消えちまったじゃないか。
 脚本吉田玲子・作監塩川貴史・絵コンテ佐藤順一作監の人を知らないんですが、今回は作画中心に視聴しておりました。コンテを監督が切っているだけに手の入れどころ抜きどころをおさえておりましたね。
 私がいつも気にしているのは波の縮尺なんですが、今回は遠景と近景の描きわけがきちんと出来ておりました。近景では波が立っているのか穏やかであるのかの違いまで表現しておりましたし。いや今までもやっていることではありますが。建物と水面の際も白波を立たせてつながりが気にならなくなっておりましたし。水だけではないんですが、全体的に灰色というかくすんだ色になっておりました。いつもはアクアマリン系の透明感のある明るい水の色なんですが、藍や群青を主体にした深みのある色で構成されておりました。水面に映りこんだ風景も水色に溶け込もうとしているものや、光が当たって水色とのはっきりとしたコントラストをなすものなどいくつかのヴァリエーションがあって目を楽しませてくれます。
 人物も気合が入っているようで、頬の曲線が美しく見えるよう配慮された顔とか惚れ惚れしました。デフォルメ顔で手を抜いた分、ちょっとした表情の動きをつけたりしていてGOOD。一番のお気に入りは藍華が迷い込んだ水路でも真っ直ぐに立ってゴンドラを漕ぐその横姿。まったく上体が動かないのは操船技術がかなりのものであることを示すだけでなく、作画の省力化も兼ねているんだろうけど、もうちょっと細かい動きをいれて欲しかったような気がする。かなりの贅沢ではありますが。人物の顔に統一感がとれていない*1のは新人作画の教育も兼ねているんでしょうか。憶測に過ぎないですが。
 結局脚本吉田玲子といえどもほとんど話に集中しないで視聴していたわけなんですが、今話の見どころは作画部分なんですよね。自分的には藍華の不安感とか灯里のこだわりの様子とかあんまり感じられなかったんですが。

*1:でもそれは気にならなかった。