落語天女おゆい 第10話「妖魔軍侵攻!火事と天女は江戸の華」

 晶センセ、年上の貫禄を見せなきゃっていってたのに、一番落ち着きがないですよ。
 困った。構成からすると言いたいことはわかるんだけど、尺が足りないのか端折りすぎ。2話使って妙の覚醒と状況の劇的な進行を図ったのでしょうが、見ているほうとしてはただただポカーンなんですよ。全何話?どうも漫画版の前日譚らしいのですが、サンデーGXのHPにある、

6人の天女VS妖怪・三大噺。しかし右京の狙いは、天女の力を利用して、地獄の門を開くことにあった! 

ということを最初に明らかにしてなければならなかったんじゃないか?。
 幕末の混乱期、妖魔とか地獄の門はなんのメタか?とか、あの世界で天女や落語が持たされている記号とかもうちょっとわかりやすいほうが良かったのではなかろうか。
 今回は本来もっと細かくやらなきゃいけない個々の描写を、物語上の仕事を終わらせるだけで精一杯で結果だけ見せていたので、流して見ている人には非常にわかりにくかったんじゃないでしょうか。前回疑問に思っていた白妙草(菊?)も役割はわかりましたが、盛大に開くはずの花火がちょろちょろっと終わった感じ。暗黒竜の位置を固定するために各人が役を割り振られ、唯と妙の結びつき&妙の覚醒の見せ場を作るために、まず最初の失敗がなされたあと、雅に機転を効かせさせて無駄にするのは構成として悪くはありません。ただ、別に唯と妙以外のキャラは初めから除外した上で物語を構成することもできるし、そうしたほうが見通しもはっきりしたのではないかと思うのです。もちろん恋の進展も唯と雅の結びつきを強くするという点も重要だとは思うんですがね。前回今回の主役と思われる妙の下支えであるところの右京の取り扱いこそ、もうちょっと説明が欲しかったところなんですよ。妙から唯と右京に線が引かれ、唯と右京にそれぞれのキャラクターからの線が集まるという構造にしたほうが良かったとは思うんですけどね。
 説明不足とはいいながらも、公式にある、

そして、妙が満を持して…。
妙もまた一世一代の大技を披露するのですが、それは見てのお楽しみです。
この大技を使う妙の姿は、ともかく凛々しく美しいです。
それは妙の心をおおっていた殻がなくなって、解放される様そのもの。
妙ファンは必見です!

は達成できていたかなとは思います。落語も関連していたようですがあんまり上手く生かせているとは思えません。前々回の「幾代餅」はようできていたんですけど、今回は話の内容を知らなきゃ普通にスルーされちゃいますよ。唯の落し話って落語が出てくるのかと思ったら、またしても物理的な技に名前を付けただけでした。