陰からマモル! 設定編

 うーん。脊髄反射的に反応するのもなんだが、やっぱりお叱りのコメントをいただくのは、最新話をこき下ろしてしまったからかな?と反省をしてみる。まぁ特に作画なんかを見ると、この作品がかなりの制約下で作られているということは容易に想像できるだけに、泥にまみれながらも一生懸命作っているだろうスタッフを応援するならまだしも…と思われてしまってもそれは仕方がないか。
 そもそも原作を読んでもいないので、推測だけで語るのもなんですが、よく出来た設定だと思うんですよ。まず主人公のマモルですが、これがまたサラリーマンが感情移入しやすいように作られているわけなんです。まず自分がカッコイイということをひけらかさないというのがあり。人より優れた能力がありながら、それもひけらかすことがない。でも仕事はきっちりこなすわけです。アヴァンに殿様から依託を受ける陰守家の先祖が描写される訳ですが、どう考えても馬鹿げた注文なわけです。昨日も触れましたが、紺若家が今も優れた蒟蒻を作っているとは思われない。(作っているのかもしれませんが)だからそんな命令なんかきかなくても支障はないはずなんですよ。しかしこの設定は、現実の企業などでも、どう考えても馬鹿げている業務でも粛々と引き受けざるを得ないサラリーマンとぴったり重なる訳です。救われるのはマモルをサラリーマンと見立てたときに、その上司であると思われる両親がまだデキる描写がなされていることなんです。現実では自分では出来もしないのに無理な注文ばかり押し付けてくる上司もいるかもしれず、この作品でもそのような設定だったらたぶん痛々しくて見てらんないとは思います。ここらへんバランスは取れているのかなぁと思います。
 まぁマモルが慎ましやかだとはいってもハーレムアニメ的な描写がなされているのには、もしかするとご不満の向きもあるかもしれません。しかし、彼の行動を見てみると納得はするのです。まぁ椿も気違いだし、山芽もおこちゃま。現実にあんな女と付き合えといわれたら多分全速力で逃げるかもしれん。さて、椿も剣の並々ならぬ使い手で、マモルと戦って彼の強さを見せ付けられている訳です。そんな彼がたった一人の女性を守るためだけに平静を装って必死に守っているのを椿は見てしまう。山芽だって幼少時から経験していることだし、久しぶりに会ってダサい彼を見て一度は幻滅するものの、それが韜晦だとわかってしまう。圧倒的な能力・魅力の持ち主がたった一人の女(自分)のために一生懸命になってくれる。自分が女だったらほっとかないですよ。すぐにでも転校してマモルをモノにしようとする気持ちはわかりますよ。そして、ゆうなもそれはおぼろげながらにもわかっているからマモルを慕うんではなかろうか。もしかすると、詳細はともかくマモルの行動をすべてわかっていて、それでも天然なのは彼女なりの(知っていると悟られないための)気遣い*1なのかもしれません。わからんですけど。でもアニメではそのようにも取れる描写のように私には思われる。ホント真相はわかりませんが。
 まぁ昨日は触れませんでしたが、そう考えてみると第4話もみどころがないわけではないのです。やっぱりマモルのことが好きな愛里が、ゆうなのためだからといって彼女をコンテストに応募させる訳です。そしてそれは決してゆうなのためではなく、彼女をマモルから遠ざける方便で、自分はちゃっかりマモルのそばにくっついて気を惹こうとしているようにも見える。そして、残りの三人も揃いに揃って、おそらく根っこの部分ではマモルの気を惹くためにコンテストに出ようとするのです。そしてマモルの争奪戦はある程度数が揃っていた方が面白い。なら順番を入れ替えて主要キャラの登場を急いだ方が良いとスタッフが考えていたのだったら、それはそれで納得。
 やっぱり許婚設定が気になるんですが、陰守家というよりはマモルですが、普段からゆうなにつきっきりでなくてはならず、まぁ彼のあり方を見ているとあながち無理とも言えないのですが、いつ嫁を見つけるんだ!ということになります。しかも子孫を作んなきゃなんないのは至上命題なんでしょ?。
 私事で恐縮なのですが、そりゃ今でも独身なのは私に魅力がないのはわかっていますよ。しかし、しかしだねぇ、別に結婚したくないわけではなくてだねぇ…。昔より女の質は悪くなっているだろうし(申し訳ないが、全員の質が悪いといっているわけではない。しかし我慢のようぇ〜女の数は確実に増えているだろう?)、結婚とか住宅ローンでも背負おうもんなら、断れないとおもって上司は自分の出世のためだけの無理難題を押し付けてこようとするだろう?。こわくて結婚もできねぇんだヨ、というわけで。いやいやキミキミ結婚はいいもんだよなんて、特に団塊世代が言ってくるんですが、すごくウゼェ。そりゃヲマエらの時には相手がいなけりゃ見合いでも世話してくれただろうし、仕事は言われたことをハイハイ余裕こいてやってたら自動的に給料も上がっただろうよ。しかしだな、仕事にしたってどう考えても間違いを押し付けてきて責任を現場に押し付けようとするし、給料も今は額面が多いかも知れんが切り詰められつつあるし、解雇されたときのことも考えて貯蓄をしてんだよ。無駄遣いできねぇんだよ、と。自分の時には退職金が有るか無いかわかんネェし、年金も役立つかどうかわかんネェ。結婚にしたってヲマエが見合いの一つでも用意したことがあるんか?。結婚後も安心して暮らせる保証をしてくれンのカヨ!。自分の幸せとやらを見せ付けて喜んでんじゃネェ!とブチ切れたくもなりますよ。私もケツの穴が小さいとは思いますが。
 だ〜か〜ら〜、マモルにいやな仕事でもやらせるのであれば、嫁ぐらいは用意してやっか、という設定は「オ、阿智太郎わかってんじゃン。やるねぇ」と思うのです。多分山芽の両親は彼女がマモルを嫌わないような育て方をしたに違いない。だから彼女がしばらく振りにマモルにあったとき、(たぶん親が言い含めたであろう)素晴らしさをマモルに感じなくて幻滅したんじゃないかと思うのです。いや、こういう考えもかなり無理はありますが。
 まぁ真面目な見方が私も好きではありますが、かといって真面目すぎると疲れるんですよ。そこはこの作品がまったりしていることとか、マモルが普段はぼやき口調であることなどから、精魂込めさせて疲れさせる意図がないのははっきりしている。まぁ辛い仕事をしている人もいるかも知れんが、息抜きをしてくれよと。原作者もアニメスタッフもそれはわかっているんじゃなかろうか。まぁ単純なドタバタだけを意図しているのかもしれませんが。しかし、マモル周辺の女共が現実にありえない理想的男性を追っかけても無理はないと私が思っただけに、陰でがんばっているサラリーマンが、いつか自分のことをわかってくれる女が現れてちやほやしてくれネェかなぁ?と夢想したっていいじゃないですかハァ〜。ぐったりですよ。

*1:あ〜どうしよう。まぁいっか。補足しちゃえ。例えばゆうながしゃっきりしていたらきっとマモルは構ってくれない。かといってわざと巻き込まれてしまっていることがマモルに悟られると愛想をつかされてしまう。意識的にやっている描写なのか、無意識的にやってしまっている描写なのかわかんないですけど、マモルに構ってもらうための適切な行動をとってしまっている訳です。結果的に。それを天然と思わせるのが原作者かアニメスタッフかわかりませんが凄いところではあります。違うかもしれませんよ。