リコリコ#1~6

 なんか異世界おじさんとコレが人気だということで、待たずに視聴してみた。
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 増田の方は褒めすぎで、個人的にはブ※のツッコみの方が理解できる感じ。

 リコリス、5話で護衛対象からしょっちゅう目を離してて、これ脚本何も考えてないんじゃね?と危惧している。どんどんグダって終わりそう。


 リコリコは1話目から脚本ガバガバで無理だったけど周りの評価はすごく良くて、みんな寛容なんだなと思った。


 リコリコは『きちんと金をかけてセオリーを抑えたものはウケる』の体現で、『自分の中だけの新しいもの』を作りたいクリエイターとひたすらケチって大ヒットを作りたいスポンサーからは蛇蝎のように嫌われそうな作品


 そうかな。狙ってるのが少し透けててちょっと引いた。

 これあたりね。近い話でいえば、対象を殺害するのにリコリスたちが単独行動で、返り討ちに遭ってるところなんかそう。最初も最初世界観を説明するときも、それまでもずっとペアで行動するというのを描いてきて、トラブルのトリガーにコレ。演習のところでもリコリスたちはまだまだ大人として未成熟であって、ならば二人が常につかず離れずの距離でなくても、片方が動けば片方は必ずバックアップという体制を取ってるハズ。
 最初政府に都合の悪い不平分子は裁判もなく容赦なく殺すというあたりから、あーこりゃディストピアものだなーと期待もしてたのだけども、その割には世界観は甘い感じ。こうやって半分まで視聴すると、少女バトルは刀使ノ巫女、理念は東京24区、ディストピア部分はサイコパスを思い起こさせるのだけども、残念ながら虚淵には逆立ちしてもかなわない感じ。ただ、オリジナルアニメの悲しいところで、ハードな世界観を視聴者にぶつけるのは結構な冒険なので、原作付きのように一定のファン層の支持を当て込めるのならともかく、せっかく一から作るんだからあまり対象を限定しないとなると、素人にもはっきりエンターテインメントとして分かりやすいように作っちゃうという傾向がどうしてもある*1ので、そのへんは仕方がないのかな…という気がしないでもない。ただ、ハリウッド映画はそういうのを踏まえたうえで、むしろ素人にわかりにくい部分は作品で判ってもらうぞという気概があるし、上述の虚淵サイコパスまどマギで、あれだけ鬱展開のハードな設定を仕込んでるにもかかわらず、オリジナルアニメで超がつくほどの大ヒットを飛ばしてるわけで、個人的にはあまりそれを言い訳にして欲しくはないかなという気はする。
 まぁそういうわけで、活劇という観点ではまぁよくできてるんじゃね?とは思うんだけど、やはりシナリオに厚みが感じられないので手放しで喜べないってところかな。不殺の誓いが命取りになる展開も今後出てくるだろうし…というか直近の#6がそういう話ではないよね?と思いたいが、なんかお前らこういうのが好きなんだろとオタクに対してのウエメセの態度がどうも透けて見えるのが残念といったところ。
 ただ、こういってはなんだが、この作品の特筆すべきところはそこではなくて、もうタイミングの妙というか、リコリスたち、ほぼぴったりとアベの排除という偉業を成し遂げた山上氏のメタファーになってるんだよね。ちょっと世間の認識とは違うのだけども、もともとアベ暗殺を指令してる黒幕は別にいて、山上はリコリスたちのように駒でしかないということ。カルトに恨みを持っての犯行ということになってるが、黒幕たちは狙いを逸らすために敢えてカルトに恨みを持った人物を選択したというだけの話。しかも暗殺の直後からアベに致命傷を与えた銃弾は垂直方向に入っており、山上の手製銃ではないと界隈では噂になってた。山上は作戦としては陽動でしかないし、しかもアベ暗殺に際し、暗殺者が見つからないということになったら国民を揺るがす大事件になるので、できるだけ万人が納得しやすいストーリーを用意して、山上にそう吹き込んでたというだけの話。警備が手薄とか、うっかりとなっているけど、当然護衛担当の奈良県警内にも協力者がいて、その手引きがあった。でなければ、あれだけアベの近くに護衛がいて、その護衛達には何の被害もなかったのだから、まぁそういうこと。カルトに未だに入れあげてる母親以外には天涯孤独の身って、リコリスたちが孤児だというのにも妙に一致する。
 リコリスたちは暗殺部隊でありながら、あのアベ排除事件が起こってる今ですら、この作品が不謹慎だという声も聞かないし、そのへん第2話が検閲を受けて放映禁止になり、お蔵入りになったあの作品とは対照的。中身がという話もアニメ製作者にとってはもしかすると枝葉末節の話かもしれず、そういう意味では現実の日本で起こってることと複合的に考えて薄気味の悪さを感じる…ということもセットであるとすると、評価もかなり違ってくることにはなる


ルミナス#6

 巡業をこなしてきて、アクロバット飛行部分も複雑になり、なんか行き詰まる話。もしかして、今回の担当の金髪、スキルが足りないのか?と思っていたら、どうやら虚弱体質で無理な飛行を長時間続けるのは難しいとかそんな感じっぽい。なんか絵でひらりひらり、いかにも簡単に飛んでるように見えるのだけども、曲技飛行は危険と隣り合わせの過酷な技術なのであって、今回もギリギリまで接近、クロスして…みたいなシーンがてんこ盛りだったのだけども、あれ、見てる分には本当にわからない恐怖があって、あのクロスする瞬間は一歩間違えば激突の可能性がかなり高いんだよね。実際の搭乗員、お互いが接近してる間は彼等の目には本当にぶつかる!としか映ってなくて、それでも平常心を保って次のマニューバーに繋げていくのだから常人のなせる業ではない。なので曲技飛行隊では死亡事故もそこそこあったりする。宙返りやバレルロールなんかも、やはり地上で空を眺めている分にはキレイダナーで終わってしまうのだが、あれ、強烈な重力変化が伴っていて、頭方向に重力がかかれば脳に血液が集中していっぱいいっぱいになるし、足方向に重力がかかれば脳から血液が失われて一歩間違えば気を失ってしまう。しかも曲芸飛行中はそれらの繰り返しが常に起こっているから、そのなかで判断力を保ちながら一通りこなすのは、知力ともにすぐれてないとできないことなのであって、先の大戦中も搭乗員が花形であり、誰でもなれるものではなかったというのもまぁそれ。
 なので、虚弱体質である…ということがどれだけ本人にとってビハインドな気分なのかは、そういう事情を知らない視聴者にとってはなかなか実感できないことなんだろうなという。
 ただ、そういうマニア向けの展開は措くにしても、なんだろ?、やはり描いてることは今までの、そして今問題になってるような日本の企業文化そのものであって、こういうアニメのキャラだから殊勝に反省なんかもして和解までもっていってるんだけども、もう社内政治で上り詰めたような経営層や管理職が業務もわからず、もしくはわかっていても強権的に拳を振り上げることしかできず、それで涙を呑むしかない下っ端の従業員は掃いて捨てるほどいるわけで、やはりそういう企業戦士向けのガス抜きだったり鎮魂歌だったりするんだよね…みたいな。
 今回は上記リコリコを#6まで一気見したあとこのルミパンを視聴したから、案外ルミパンもシナリオそこそこ考えて作られてるジャンと見直した次第。まぁリコリコのほうも、メインキャラが辛酸をもっと舐めるみたいな話で継いで、こう金髪主人公のように安易に理想を振りかざすんじゃなくて、もっと地に足の着いた展開にならないとも限らないんで、そのへんはなんともだけど、驚異的な弾除け能力が付加されてるところからしても、正直彼女が能力上の苦難にあう可能性は予想しづらいし、ほぼこのシナリオのクォリティで終わりまで突っ走るんじゃね?という感じ。あんな特殊能力をもってたら、大抵の視聴者が共感するのを妨げてしまうし、現実社会とかけ離れた世界を見せられてもそこにどういう視聴者とのつながりを作るの?って感じで、ルミパンはそのへんは抜かりなく有機的に組み込んでる感じはする。

水着シリカ、いろいろ達してしまう。

 キャラシナリオは全解放状態になってしまう。まぁまだ空けてはないのだけども、どうするか…。あと、イベントステージもどん詰まり。ステージ数が三つあって、そのうちの二つは完遂したけど、残り一つがまだ解放されておらず、その時期が何と明後日。最後のステージが開かないと、おそらく水着シリカの限凸アイテムも入手できないし、イベントシナリオも読めないから、お預け状態。これ、行動力どう使ったらよいのか…。
 意を決してキャラシナリオ読んでみますかね。

読んだ

 なかなかよかった…。

 通常シナリオはまたまた剥かれる展開*2があって、苦笑させられる。で、本人自身がエロ河童と自分のことを言ってるように、そういう妄想やモノローグが多めなのだけども、なんていうか、下品さがあまりなくて、可愛らしいは言い過ぎにしても、微笑ましいぐらいのバランス。恋に恋する乙女みたいな立ち位置なのだけども、元々ヒロインの家筋が主人公に尽くすという役割を持つため、正直そういう風に育てられたんでしょというご都合主義全開の設定だからなんとも。しかもヒロインが主人公を好きになった理由が明かされているのだが、現実に可能性は0ではないのだろうけどなんだよそれーみたいなやはり御都合主義的な理由。
 メイン部分のシナリオはさすがに下品ではあるのだけどもも両方よくできていたように思った。とはいっても、姫ちゃんのように実用的ではないが、キャラの生き様とか行間を読ませるテキストの妙みたいなものは全然なくて、もう実用面に全振りした内容と感じた。現実だと男が雰囲気を作って女をその気にさせるべき…なんてよく言われるものだけども、このシナリオだと通常部分からヒロインが主人公をその気にさせるような展開になって、あーなるほどこういうテキストはそういう構造になってるのかとちょっと感心した。シナリオ終盤からは間延びしていたし、絶賛というほどでもなく、当然このシナリオを評価しないユーザーも、大絶賛するユーザーがいても不思議はないしそれで構わないとは思う。ちなみに快楽のあまりヒロインが結婚の約束をしてしまうところ*3が個人的なベストシーンでした。
 まぁつらつら考えてみて、自分がシリカを人気キャラと判断してるのも誤認なのかもしれないが、課金ガチャに放り込まれてもおかしくない美少女キャラがなんでイベント報酬、それもかなりの初心者でも探索の最初のうちは本当に敵が弱いので今から始めても限凸はムリにしてもキャラ確保はかなり容易なところに設置してるのか、それはやっぱり夏休みもたけなわだからでは?と思い至った。要するに新規ユーザー獲得のための客寄せパンダということ。どうせこの手のゲームのゲーム部分は周回前提の作業でしかないから、まさにキャラゲーのキャラ部分を押し出すしかない。シリカは主人公の護衛役という設定になってるから、メインストーリーのシナリオに登場する機会もそれなりにあって、今まで指摘した通り機会があれば剥かれる役割になっていて、シリカ目当てでユーザーが増えてくれたらしめたものぐらいの判断なのではという。
 ちょっと気になって絵師のMIN-NARAKENのことをggってみたんだけど、もうこの世界30年選手の大ベテランらしい。初期の作品の画風もそのネット記事で目にしたけど、面影はあるがここまで変化してしまうのかと驚くほど。イラスト一枚仕上げるにも、まずキャラ絵を描くのではなく、前段階として対象の性格やシチュエーションなどキャラづくりをしてから筆を取るみたいなことを言ってるのが印象的だったなぁ。

*1:でないとなかなかスポンサーを納得させられない

*2:本当に剥かれるのではなくヒロインの妄想の中という形ではあるのだが

*3:ヒロインの本命はあくまで主人公なのだが、結婚の約束をしてしまうのは一言も会話をした事もないような顔見知り程度のいわばモブキャラ