月とライカ#4

 孤独に耐える訓練の前の息抜き。メインキャラの宇宙に行きたい動機の説明もなされていちおう二人の間に信頼関係っぽいものが出来上がる流れ。
 アニメというかこういうサブカルものに期待してはいけないんだろうけど、ついアネクドートソ連を推し量ってしまう傾向があるが、本当のところ当時のソ連の人々の肌感覚がイマイチ掴めなくてどう判断してよいやらわかりかねる。まだ大祖国戦争の傷跡が癒え切った段階でもなかろうし、またスターリンの死の前後で息苦しさも変わってるだろうし、かといってKGBソ連崩壊まで市民を監視してたわけで、この作品に漂う雰囲気を素直に受け取ってよいものやら。あとはやっぱり吸血鬼の一族と思われる部族に対する差別がよくわからんといったところ。フィクションだろうからあんまり真に受けても仕方がないのだが、ポグロムあたりを意識してるのかな?。差別構造をこういう風に描くことにどういう意味を持たせてるのか、これもはっきりしない。このへんはやはり86のほうが現代の日本人にも重ねやすいといった感じは受ける。

海賊王女#12

 主人公が日本人?になってしまうの巻。ん?、これで終わりなの?。終盤の展開からするととても続くようには思わないんだが、話としては終わってないよね?。結局前回までに整理した、この作品での世界はどのような状態であるということがほとんど示されてないから、それをどうするか選べと言われても、主人公だけでなく視聴者のこっちもポカーンだよ。あとラストもよくわからん。相方は主人公にプロポーズされたから(もちろん猛アタックはしてるが)返答をしただけで、そこに気持ちの通じあいみたいなものがあるのは何*1なの?みたいな。
 うーん、結局いろんなものが抽象的に語られていつのまにか結論みたいなものが突きつけられてあれよあれよという間に終わってしまった感じなのだが、その、自分が整理したと思い込んでた、現状の世界の把握や対処法というのは視聴者それぞれが判断してくださいってな感じなんだろうか。
 で、エデンなる地に導かれたというのも、結局主人公の主体的な行動あってのことではない。なんか知らんがその時が来たら他所から助けも来るし、場面場面で都合よく過去の記憶がよみがえってみたりしていたので、そのへんは彼女自身がいみじくも言い表している通り、選んでいるつもりが選ばされてるだけだったという形にはなってる。やはり選ぶ選ばないという話については、そもそもあなたは世界がどの様になっていると判断しており、それがいいことなのか悪い事なのかどう判断してるのか、よいと判断しているにしてその状態が続くよう何もしないと考えるのか、悪いと判断していてでも何か変えようとすると何かしら犠牲がでるからやはり何もしないと考えるのか、それともよいと判断してるにしろ悪いと判断してるにせよ、変化させるのが正解と判断するのか、まぁそのイシューは一般的に政治のあり方だとか環境問題だとかいう大仰な構え方でも構わないし、自分の日常に関する卑近な例でもいいが、とにかく今まで流されるだけで何も判断していなかったという状態を脱却して、自分の頭で考えて主体的に行動しろ*2みたいな主張なのかなという。
 とまぁよくわからんところが多いうちに駆け抜けていった感じ。財宝が一ヶ所に集められてるって設定から、もうちょっと資本主義の矛盾みたいなことをやるんかなとか思っていたのだけどもそれもなし、海賊王女というタイトルなんだから、王女らしき主人公がなんか海賊らしき行動をとるのかと思ったら、潜水艦に乗って謎を解き明かすために旅を続けるだけで、むしろ海賊らしいのは敵方だったという。

*1:記憶を失う設定とは…

*2:この作品の主張がよくわからんような形になっているのは、視聴者がこの作品から自主的に手掛かりを探して主体的に判断しなければたどり着けないような構造になってるというメタ構造…というかこれが正解であるかすらわからんわけだが