3rdQ2021視聴アニメ途中

アクアトープ#8

 移動水族館あれこれの巻。キャラの深掘りと拡張あたりかな。水族館閉館についての具体的な動きはないし、ちょっとしたイベントでお仕事紹介。でもまぁ病院は衛生環境に特に気遣う必要があるし、視聴者としてこう見てるほど実際はのほほんともしてないハズ。まぁ魚そのものも衛生環境やストレス耐性に気を遣うといえばそう。毎回ビックリするような展開がある必要もないし、物語上の役割がはっきりしてないといけないわけでもなく、こうしっとりした話で特に問題もなく。

ひぐなく卒#10

 沙都子が白と黒とに分裂して戦う話。まぁとっくにそういう形になってるとは思うんだが、沙都子とおじとが支え合って暮らすというのも一つの幸せの形なのではあって、それが今回の分裂騒動にもなっているんだが、結局ここで提示されたのは、「何が幸せなのかは自分が決める」という自己決定権。沙都子がループ構造に入る前から、梨花はループ構造に入っていて、そこでは得られるものがすべて不幸であるという形だったからアレだが、梨花も自分が望む幸せを求めて繰り返しをしてきた。で沙都子が参入して、やはり彼女も自分の求める幸せの形があって、それが獲得されるまで繰り返しをしてきたはずなのだが…。
 いちおう沙都子の理想的な帰結点は梨花と雛見沢で幸せに暮らすということであって、途中経過として一時的に雛見沢を離れて学園生活をするというのもどうしても否定されなければならないことではなかったはずで、そこに、梨花と沙都子の幸せの形が同時に実現するなり、ある程度の妥協点を探ることもできたはず。ところが、梨花は沙都子の参入によって自分が追い求める幸せに辿り着く前に何度も引き戻される結果となっているし、沙都子はそういう両者の想いをすり合わせることをもう放棄してしまっていて、まさに彼女だけの望みが実現するためだけに行動してる段階。もう沙都子は彼女自身が魔女であるという自覚も持っているし、そのへんもう後戻りできないところまで来てしまっているのかなと思わなくもないがそのへんはまだ保留。
 うーん、まだそれが作品の一つの主張であるとまでは確信が持てないんだけど、日本が時代区分としていわゆる近代になり、政府も個人分断化を推し進めてきたわけではあるが、庶民のほうは庶民のほうでも個人の近代化に即してそれぞれ前近代では実現不可能と思っていた欲望実現を願うようにもなったわけで、それが前期でいえば梨花に体現されていたというか、閉塞した地方より都市部でなりたい自分になるという自己実現欲求がその一つでもある。ただ、戦後においても人はやりたいことを基本的には自由にやってよいのではあるが、それはやはり他人の権利を侵害しない範囲であり、また公共の福祉にも反しない範囲に限定されるというもの。自分がやりたいことがあるんだったら他人にもやりたいことは認めるべきであり、そこは一人一人が人格を持った個人である以上、だれか一人だけが優遇されるというものではあってはならないはず。
 でも、2期が始まる前後あたりから今までの流れでいうと、沙都子はこの物語世界では、えうあに力を与えられて唯一絶対の権力者になってしまっており、彼女が望まない結果はすべて捨てられて、何度も何度もやり直しができるようになっている。彼女自身が他人の幸せ、権利を尊重して対等の人間として他者を扱っていればこんなことにはなっていないのだが、望む結果が得られないと癇癪を起こす子供のような権力者であって、結局2期始まって以来、彼女のわがままで梨花は言うに及ばず圭一レナ魅音その他関係者は皆不幸になってしまっている。
 そこで、アレ?これってまさに今の日本そのものでは?という風に思えてきたのだ。おかしいことをやっているにもかかわらず、だれも止められないし、法律を捻じ曲げて我儘放題してきた人いたでしょってなワケ。質問をしてもそれに対してまともに答えないからコミュニケーションが成立せず、ならお互いすり合わせもできないし、もちろんしようともしてないだろう。周囲の人間はアレはオカシイと誰もが思っているのにどうすることもできない。
 とまぁ、どーなんだろ?、本当に沙都子が物語世界の絶対的な権力者で、彼女のおかげで周囲がみんな不幸になっているという筋立てが、そんなに今の日本の惨状をピンポイントに示すために作られたものかどうか?。もうやってることが間違っていると周囲の誰もに認定され、にっちもさっちもいかなくなって権力を放り出して逃げる…という展開になるんだったら、もう間違いないってことになるとは思うが、OP映像やED映像からは高校生編もあるような雰囲気だし、あんまりあからさまになる前に場面転換するんだろうなとは思ってる。
 結局お互いがお互いを縛り合う前近代のあり方も正しいとは言えないが、かといって個人が自分の欲望を追求していったとして、そこに他者への思い遣りや気遣い…というより適切な距離感が保てなければ、それもまた正しいとは言えないのでは…ぐらいが物語の主張なんだろうとは思っている。で、日本についていえば、高度経済成長期以降、日本人はどう振る舞ってきましたか?、それで日本はどうなってますか?という問題提起あたりかなぁ。

迷宮ブラカン#8

 世界を救う準備として前提整理。正直前回で結構シラケてしまったので今回もバイアスがかかって視聴してしまってる感じ。世界を救うという要素がなかったら、メンヘラ女気質の銃も楽しんで見てたと思うのだが、難しいもんだなー。主人公がもともと抱えてた借金はともかく、行方不明時の見込み損失を会社が社員に請求するのはお門違いじゃね?とは思うが、ブラック企業がノルマ未達でペナルティを課し、給与に手を付けるのはいかにもありそうなのでその辺はまぁ。っつーか、主人公が未来で過ごした時間だけ経過してしまってるのね。よくある過去改変を伴うタイムトラベルものって、行動の起点にそのまま戻っちゃう作品が多いので、前回ちょっと違和感がありはしたのだが。っつーか、タイムトラベルをしてそこで手を加えたら歴史を改変してしまうというテキスト、最近は改変というのではなくて、最初っから物語世界が特定人物のタイムトラベルを織り込んで構築されている、つまりタイムトラベル込みで一本の歴史が組み立てられている(すなわち行動を変えることで世界は分岐しない)ものが多いから、これもそういうギミックなのだろうか。
 別に世界を救う決心をする前と後で、主人公の行動はそう変わってないのであって大半の視聴者は特に何の問題もなく視聴してると思うが、あの決断で視聴意欲がこんなに変わってしまう作品は個人的に珍しい。

はめふら2#9

 サブタイ通り弟がいなくなってしまう話。彼自身の狂言か、そうでなくてもなんらかの傷心が原因と思っていたから、ずっとコメディで押し通すと思っていて、そこからシリアスに切り替えるはちょっとやられたという感じ。今回のようにシナリオにメリハリがついている話だと、BGMもノリノリのような気がして受ける印象がだいぶ違う。
 話の当たりはずれはあると思うんだけど、ここまでくるともうはめふら特有のお約束ができあがってるし、そこから大きく逸脱することはかえって違和感を持たれてしまうぐらいになってしまってるだろうから、大きなやらかしがない限り、2期も大きな成功はないにしろ、平均してまぁよかったんじゃねぐらいの評価に落ち着くとは思う。作品としては安定期に入ったというか。

俺100#20

 村の郊外に住んでいた少女の手引きで一行は村に入ることができたが…の巻。もう村の立地からして孤立しているというか隔絶した世界という感じを受け、実際村の有力者のメンタリティもそうだったという設定。
 一行がいきなりピンチなのもエンジンかけとるなって感じ。一旦クエストに入るとシナリオは重みを増すので期待感は高まる。村を襲う魔物は強くなっているというのに援助を断るからには裏があるだろうし、少女の父親に帰省していた魔物がこれもくせ者っぽいし、村長の孫もいけすかねぇ我儘娘だなとは思うものの、なんらかのきっかけでこちらの味方になるとか手を貸してくれるとかそんな感じになりそうな予感もする。物語は本格的に動いてるっぽいが、伏せられていることが多いのでおとなしく待つのが吉かな。


3rdQ2021視聴アニメ途中経過

 なんかいろいろ整うのを待っているといつの間にか終盤になってしまってる。本当なら3~4話ぐらい視聴して書くのがいいとは思ってるんだけど。とりあえずメモ程度に。忘れてる作品があっても補筆はしないつもり。

  • はめふら2 上記の感想の通り、このテイストになれた視聴者にとっては安定してる感じ。面白いっていうより楽しいってのが個人的には適してる印象。
  • ぼくリメ 終盤でよっぽどの超展開がない限り個人的に評価は低めで推移した。いかにも萌えアニメテイストなのは好みがわかれると思う。原作がそれなりに支持者を獲得してる理由がわからないので困ってる。
  • 現国アニメ 最初はちょっと期待できるかもという予感はちょっとしてたのだが、今のところ凡庸以上の感想はない。雑破業もこれには手を焼いたか?。視聴していてストレスはないし、目的が政権批判だとでもいうのならそれはそれで勝利条件は達成できているとは思う。
  • 海賊王女 まだ3話なので読みにくいところはあるが、ターゲット層広めの冒険ものに今ドキの社会模様を取り入れた作品ってところで悪くは無いんじゃないかと思ってる。気合は入っているのでそう外すこともないのでは?。
  • たんもし 何度も言ってる通り、名探偵が死ぬ前の話をメインにやるんだったら、詐欺とまではいわないけども、看板に偽りありという印象は強い。これも既に言ってるが、名探偵の個性が強烈なのでそりゃ捨てるに捨てられんでしょというのはわかる。シナリオ自体は下降傾向と個人的には思ってる。
  • 5秒で これも都度感想のとおり、心理戦が面白いのだが、設定が抽象的過ぎるのか雑なのかよくわからんといったところ。無ナナが全体の構造を大きく変化させることなく終わったから、これも途中経過で終わるんだろうと思うと、正直つきあう必要はなかったかも…みたいな。
  • 精霊幻想記 シナリオが手堅いのでストレスは感じない。ただ、ストーリーはどっかでみたようなものの寄せ集めなので今一パンチが足りない感じ。個々のクォリティは高いんだけど、その積み上げのもう一歩上が欲しいとは思うが、悪くはないかな。
  • うらみち 個人的にはスマッシュヒット。ツッコミどころがないわけじゃないんだけど、シナリオに抑揚がないように見えても笑いが声に出たりしてるので、個人的には結構楽しめてる。
  • マギレコ2 1期からの勢いはうまく保ててる感じ。虚淵まどマギとの違いは都度感想で述べたのだが、スケール感の違いをなんとかハンドリングできているんじゃなかろうかとは思ってる。
  • 迷宮ブラカン これも都度感想の通り、主人公が世界を救うと言い出して冷や水を浴びせられた感じ。サラリーマン応援ものとしてはそう悪くはないと思うんだけどな…。
  • チート薬師 都度感想ではツッコみまくりだが、これ、サザエさんと同じように、ゆるい設定で、ストーリーの当たりはずれ自体を楽しみながら、あんま難しく考えずに消費するんだったらそう悪くない感じ。おそらく原作がなろうだった頃は読者はそのへんのことを考えて読み捨てていたんだろうなという気はする。アニメ化されるぐらいだから原作もそこそこ支持者はいるんだろうけど、おそらくこのテーマだとその人数は少なめで、この作品をコミュニケーションツールとして使うのは不便だと思う。
  • ピーチボーイ まぁ以後どのような展開が待っているのかわからんから決めつけるのは厳禁だとは思うが、個人的には大きな物語の構造が見えてしまった気がする。個人的な事情を複雑に絡めてるのは上手いと思うし、扱ってるテーマも悪くはないけど、楽しむのはアニメまでで原作まで追っかけるほど虜にされた感じはしない。
  • ひぐなく卒 ようやく大枠が見え始めたかなという感じかな。1期もそこそこ楽しんでいたし、その程度には楽しんでる。
  • カノジョ ざっと振り返ると、世の中が便利になっただけでなく多様性の重視という掛け声がかかっていて、それなりに選択肢が多くなった現代の悲喜交々みたいなテーマなんだろうかと思ってみる。でも全体的には典型的な萌えアニメ&お笑いの融合って感じ。テンポ感はよいので退屈することはないけど、個人的にはどうしても軽薄なものに映って仕方がないってのがもったいない感じ。
  • 女神寮 典型的な石鹸アニメ。まぁ寮がアジール的役割みたいなのもありふれてるし、テーマ性はありはするけど基本昔のキャラの関係性をいじり倒す萌えアニメって感じ。ただ、不思議なのは同じコテコテの萌えアニメ風味であってもぼくリメより印象は悪くない。あと、ヒロインズがほぼ全員おねショタなのにおとこのこ向けアニメなのがもしかして斬新なのかなぁ。男のアニオタってあんまりショタ好きおねえさんに萌えないと思うんだよな。かといってこの作品を女性層が支持してるとも思わんし。
  • 俺100 これも1期の勢いをよく保ててる感じ。まぁ説教臭いと言えばそうなんだけど、ちゃんと人間を描こうとして描けてるって感じかな。JRPG要素ふんだんだし、そのへん軽薄そうな仕立てなのに話は結構練られてるってのがわかって個人的には結構楽しんでる。
  • アクアトープ 今のところ大きな失敗はないし、そこそこ楽しめてる。結構期待感があって視聴を始めたのだが、それで期待外れってことはない。個人的には絵空事だしそこそこツッコミどころもあったと思われる色づくの存在感が大きくてどうしても比較してしまうんだが、だからこそってわけでもないんだけど、色づくのほうがスタッフがやりたいことをやってるって雰囲気があるんだよね。この作品は流行に寄せた分だけおとなしくなってるなぁという印象。どちらが良いかって話は面白いんだけどおそらく意味がなくて、そこは前も言った通り、色づくの頃とこの作品とでは日本の、というより世界の様相が一変といってよいほど変わってるから。もう純粋に夢を追い求めることができる時代では、「完全に」なくなってしまってる感じ。