D4DJ#13

 サンセットステージで三役揃い踏みのグランドフィナーレで幕を閉じるかと思ったら、竹中直人まで出てきてフェス予告?という。
 よく見たら、前回と今回は脚本から雑破業が外れてた。とはいえ、もうラストはお祭り騒ぎで〆なのは決まってたろうから方向性を指示して若手にやらせたってとこだろう。大概のレールは敷き終わってる。
 やはりDJに焦点を当てたらちょっと物足りない気はするのだが、これはもう仕方がないというか、数週間前にDJといえばやはりDJ.KOOだろと思ってちらほら本人の公式チャネルに行って自伝インタビューを見てたらやっぱりなと思われるエピソードが語られてた。彼がTRF全盛のころ、TV出演してくれと言われて困ったという。音楽番組だったら、一曲だけだから曲間をつなぐDJの仕事はないし、曲のアレンジは終わってる状態だから、TRFと一緒にステージに上ってもやることがないというワケ。でも結局なんらかのパフォーマンスをやってくれと言われてあのスタイルだったというワケなのだが、この作品でもやはりその構造は変わってない。毎回違う曲を扱ってるし、最終回の今話はさすがにラスト三曲通してたが、今までは一話一曲だったわけで、ほぼDJの仕事を見せる機会はなかった。視聴者としても、個人的にはDJ講座みたいなのは歓迎ではあるのだが、いざRemixを何度も見せられても、ドラマの尺を削って一話に何曲も入れてこられても間延びして仕方がなかったと思う。DJの特異性は、見せ場を要所に作って入れ込むしかなかったとは思うので、まぁ全体の構成を考えると、作品のイメージがDJ中心というよりはアイドルユニットの競演という形になるのは仕方がないとは思った。
 まぁそんなこんなで、全編楽しんで視聴してたというのは変わらない。前にも言ったと思うが、おもちゃ箱をひっくり返したような作りで、ドラマ部分に大きな破綻がないだけでなく、しっかりとテーマが埋め込まれていたから文句のつけようもないという。動画部分も、モーションCGのもっさり感はどうしても排除できないのだが、ほかの作品と違って、動きにちょっとしたキレが加えられていたから、手書きに寄せた感じで個人的には見易かった。モーションCGなら、キレなど入れこまないほうが現実の動きに近くなるのだけども、今まで自分が視聴してきたCGはいくら現実の動きに近いからといっても、やはり人形が動いているようにしか見えないので、アニメの手法として動きに誇張を入れるほうが自分には受け入れやすいと思ってる。
 楽曲も前回述べた通り。JPOPのメインストリームからすると傍流も傍流だが、おそらく世界的にはJPOP本流よりアニソンゲーム音楽のほうが評価が高いと思われるので、そのへんに振った傾向は世界中のアニメファンを見据えたということであれば正攻法だという気はする。日本人の自分としてはどの楽曲もビートに埋もれて歌詞が聞こえないということがなかったのも好評価。おそらく実際のクラブでは歌詞が聞こえなくても全然オッケーのはず。
 とにかくそういうわけで、チープな作りながら要所要所を押さえた作りがどうにも自分の好みに合ってていつも楽しませてもらったという感じ。