八男#1

 うーん、1話だけではよくわからんっていったところ。祝宴だけは豪華だけど基本貧乏な貴族の描写としてはなかなかで、それなりにリアリティを重視してんのかなと思うのだが、字が読めない割にはその字を読む担当の家宰なりがいそうにないのは???だし、王都の人口百万だとすると、ルネサンス以降産業革命前ぐらいの後期中世がモデルなのかなと思ったら、それほどの技術でもなさそうだしで、中途半端な感じがする。
 貴族の八男に転生ということだが、早速次男以降長子相続の瞬間に放逐だから、遺産を受け継ぐことなく自力で生きていけというのは、やっぱり没落期に突入した日本のメタファー(もう日本の先進国としての遺産は受け継げないから今の日本の若者しっかり生きていけ)だと思うのだが、初頭から魔法でどうなんかなと思わなくもない。せっかく文明度の低い世界に転生したんだから、先端技術移植でオレTUEEEでも不思議はないのだが、なにゆえ魔法なのか。しかも遺伝性はないが先天性のものであるという、これまた中途半端な設定。
 原作なろうだし、そのへん原作者のご都合主義なんだろうが、中途半端にリアリティを混ぜ込んでくるところとか、それなりに構想があっての作品のようにも思える。それでいて人気が出て商業化なのだから、それなりに作者の意図は成功したんだろうなと思うと、しばらくは様子見で、なにがウケた要素なのか探ってみたい。