4thQ2019終了番組、KJG

 ちょっとびっくらこいた。この最終回の脚本だけ質が違うように感じる。まぁ1クール前半部分ほとんどおふざけで、後半に入ってからアゲアゲ基調だったのでそれほど違和感はないのだが、それにしても、もうこれでおしまいだからケリを付けておかないといけないところは心残りないようしっかりやっていこうという感じがしてちょっと見直した。
 この作品の見所にレース展開があって、これだけはもうシリーズ通してよく考えられてると思うのだが、この最後のレースも良くできてた。ただ、動画としては今までのレースよりは一段落ちる。個人的には動画はあくまでテキストの骨格を飾る部分でしか無いので、一定以上のクォリティがあったらそれで満足してしまうので、これは問題なかった。カネを投入したらしたぶんだけマシンのステータスを上げることはできるんだが、レギュレーションで投入できるリソースは一定にされているのだろうし、そういう部分が窺えてそのへんも見ていて安心する。
 実はこの作品に対してそれをそれほど期待してなかったんだが、個人としてなんでスポーツをやるのか、どうしてその競技でないとダメなのかに関してモデル的解答が示されていたのでちょっと驚いた。まぁモータースポーツをスポーツと言ってよいのか迷うが、今話題になってる五輪にかこつけてやれ観客に感動を与えるだとかそういう建前でなくって、個人的に突き動かされるもの、もしくは自分の中で整理されて出てきた答えとして結構メッセージ的なものが感じられる。自分とスポーツとの距離、または社会との距離感が考えられてるという印象。自分が昨今のスポ根ものに期待していたものなのだが、これかなりしっくりくる。自分が入れ込んでることに対して他人の理解を得るってかなり限界があるが、だったらどこまで自分で自分の気持ちを引き受け、他人との共感をどう得るか(もしくは諦めるか)という点について他の作品よりしっかり示しているんじゃなかろうか。
 ましてやこれはペア組がされていて、だったらチームメイトでどういう共通認識を持つべきかということに関しても、泥臭い展開を交えながら落ち着くべきところに落ち着かせたという印象。同じ競技をやってるからといって、当然動機も一緒ってことはなくって、そのへんがハイレベルになればなるほどすれ違いになって不協和音になりがち。ならどうすり合わせをするかということになるが、まぁそのへんよな。
 全体を振り返ってみたら、やはり前半部分のおふざけがマイナス要因にはなるが、案外きれいに終わった印象。個人的には最終話でいろいろ提示されたもので結構満足したので、迷走してたけど悪い作品ではなかったなと思ってる。
 しかし雑破業の名前が後半になってクレジットされなくなったんだがどうしたんだろ?。最終回も名前はなかったものの、レース展開の組み立てをみたらやはり前半のレース展開と似たような雰囲気を感じるし、やはりシリーズ構成として大まかな骨格や、重要なポイントを仕上げたら細かなところだけ他人に投げてたって感じなのかな。今期はいくつかの作品掛け持ちしてるっぽいし、時間のやりくりに困ってたとか。まさか後半名前がなかった回は本当に脚本担当に丸投げしてたのだろうか。なんかちゃんとスタンドアロンで脚本名が出てるのにシリーズ構成の指導の賜物というのも失礼な話だと思うが。