フレームアームズ・ガール視聴した。

 サープリやSGSを視聴して、その余勢を駆ってゲーム原作アニメを視聴するか…と選んだのがこれ。で、今回はちょっと前知識をネタバレしない範囲で調べてみたらなんとゲーム原作ではなかったという。FAG、まんまプラモデルらしくって、最初のうちは単体で売られていたものが、後出のものになるとストーリーが付加されて世界観が広がっていったらしい。そのへん最初っからストーリーが付加されていたHJのQBに近いものがあるのか。
 本作はその設定を原作とするアニメらしいが、企画出資がコトブキヤであることから、いちおうプラモデルの販促になっている。が、なんというか、プラモデルは全く動かないのに対して、この作品でプラモデルが自律型の小型アンドロイドとしてキャラクター化され、ロボットというよりは人格を持った生命体のように描かれている。ストーリーは典型的なドタバタコメディなわけで、個人的にはこういう形式のを久しぶりに視聴したような気がする。コメディ部分はまぁナンセンスというか萌えアニメにありがちな内容ではあるのだが、個人的には、これ、要するに人格AIを搭載した近未来支援ロボットを想定しているように感じられたのが面白かった。そのへんは自走型掃除機が顔出しとしては過剰に登場しているし、配送ドローンが実用化されている世界観なので、当然その視点は入っていると思う。ストーリーラインはそれこそまんまロボットに感情を学習させてだとか、孤児を引き取ってだとかで、最終的に家族になるってのはどこかで見たようなものであって、それがメインに据えられてはいるんだけど、本作の面白さはそういう部分にあるのではないと思う。
 ドールハウスが出てきたり、ままごと遊びが出てきたりして、そもそもプラモデルの立ち位置が示されて、まぁ昔はフィギュアはそれほどメインではなく、飾られるだとかせいぜいブンドドで遊ぶぐらいが関の山だったわけで、それが、可動できたら面白くね?とか、更に動力を搭載してラジコンのように動作したら面白くね?だとかという進化を遂げてきたわけで、それがフィクションの世界ではプラレス3四郎のように人間と同じ複雑な運動ができたら…とか、実際にプラモデルを格闘させて壊れたらアレなんで、仮想ステージで実際にバトルできたら面白くね?というのが、ちょっと違うかもしれないがガンダムビルドファイターズだったりするわけだ。まぁそこまで行かなくても現実には二足歩行できるロボットはできているし、今やAIを搭載して介護支援ロボットを作れはしないか?という段階まで来てる。この作品を視聴し終わって思うには、ロボットがどういう方向に進んでいこうとしているのかという視点はさすがにあると思う。今や機能不全を起こしていじめが常態化している学校も普通にあるわけだが、ロボットにAIが搭載されて、理想的な友達として振る舞えるのならというのを考えると、それもアリと思ってしまうのだが、おそらくそれを意識したエピソードもあった。
 数年前にSONYAIBOのサポートが公式に打ち切られたという報道があったが、ネットを見た限り、それを惜しむユーザーがかなり多かったように思う。自分が驚いたのは見かけでいうとあまり愛くるしいとも思えないあのロボットにペット同様のものを仮託出来ていたという事実だ。ビッグデータの活用なんかを見ても、人間の趣味趣向を統計的に判断していろいろな情報を提示できるところまでいっているし、ヘンな話、ユーザーの指示通りに動くだけでなく、そういうところから独立した判断をユーザーの性格を取り入れながら下すことができる一個の独立した人格を持つように見せかけるAIを搭載したアンドロイドなんて理論的に作ることが可能だと思われる。プラモデル単体にはそういう機能を持たせられないけど、ロボットの外観上のインターフェースにはフィギュア会社のノウハウは確かに活かされるだろうとも思われるので、なるほどこの作品のアプローチとしてはなかなかのものがあると感じた次第。