かっちぇる♪読了。

 連載当時はタイムリーに雑誌を追っかけてなかったんだけど、なにかの拍子で気になって、コミックスは三巻まで購読していたのだが、なぜか放置していた。で、なんにきっかけでそれを思い出したのかも不明だが、なぜかこの漫画をダンボール箱から探し当てゝ読んでみるかという気になったのだ。
 で、見つかったのは第2巻と第3巻。第1巻も買っているはずなんだが、なぜか見つからない。漫画を放り込んでいるダンボール以外も大概漁ってみたのだけども、もう体力気力が追いつかなくて断念。で、ネットで買って全巻通して読んでみた。
 うーん、なんというか、この懐かしい感覚。年代的には自分が高校生だった頃よりも新しい世代のことを描いているので、懐かしいといってもそこはズレがあるのだが、昔の漫画によくあった感じのテイスト。今回ネットで購入する際に、密林だけじゃなくて他に安いところはないかと検索をかけてみたんだけど、感想を書いているサイトがちょっと見つかって、概ね好意的な評価。
 自分が気になって購読し始めたころも、ちょっとした注目作という扱いで、決して大ヒット作ではなかったという気がするのだが、なんやろ?、当時はそれほど琴線に触れるというほどでもなく淡々と物語が進んでいくような気持ちで読んでいたと思うのだが、こう、歳をとったというのか、既読部分ですらグッと掴まれる部分があって、時折半泣きになりながら読んでいた。
 作者のキャラに対する距離感ってのがえらい抑制的で、当時はそれほど気にしてなかったのだが、これ結構うまく考えられてる感じ。物語はキャラたちが一年生から二年生になる期間が主なのだが、二年生になって新入部員が入ってきていたから、人気が出てたら三年になるまでの期間もじっくり描いていたのかなと思わなくもないが、基本的にキレイに物語は閉じているので、最初っからこの構成で練られていたんだろうとも思う。
 今となっては古臭い画風、というか最近の漫画家の画力がインフレなんじゃないかと思うぐらいなんだが、背景の描き込みなんかを見ると、あまりアシスタントを数多く使わずに作業してたのかなと思わなくもない。
 最近漫画雑誌を読む機会自体が少なくなっているので、動向がどうだのは見当違いなのかもしれないが、こういう良質な漫画あるのかな…という気がしてしまう。自分割と作家買いしてしまいがちなんだけど、作者のかわくぼ香織、このシリーズの後にストーリー性の薄い漫画がコミックス二巻分出てるだけでフェードアウトしているっぽいので残念。