魔法使いの嫁 第12話

 傍で見てりゃ確かにポカーンだよな。
 チセ、解脱の巻。折り返し地点だしそろそろなにかあるだろうぐらいに思っていたらドラゴンが語り始めたのでキタキタとか思ってた。語られることは割と性善説というか都合の良いことしか喋ってないなぁと思いながらも、しかしこれ、チセ(や同じ境遇の読者)には心に染むだろうなとは思った。で、これはネヴィンに言われたという形はとっているが、別に自分が悟ったという形でも外から見たら変わらないので、そのへんは巧妙ではある。ED直前のシーンからも、これはチセが居場所を確保するという話にしか見えないので、その意味ではうまく処理している感じ。自覚的なのか無自覚なのかは関係なくそこで示された結果(この場合は好意にあたるだろうが)が重要という視点もエッセンスとしてうまく配合されている。チセが飛び立つときに火の精霊の力を借りているのが?(火水風土なら普通は移動には風が適当なはず)だったが、これは不死鳥から得られるイメーヂが真に伝えたいことなのだろう。
 あれほど言葉にすることが大事だと言われながら、そのシーンが省略されるなどなかなか乙なことをするのだけども、なんのかんのいって着地点としては無難かねぇ。個人的には言葉にしたからすべて解決するようなそんなものでもないんだけどなぁとは思うんだけど、今まで示されたことからすると、二人の想いが周辺に伝えられて認知されているわけで、お互いが遠慮しあっていてそれがもどかしいから背中を押しているって形になっており、美しい物語になってはいますけど。