艦これ、そろそろ分岐点か。

 こう予感というのか、ピンと来るのが、今回のE7攻略でゲージ削り3〜4回ぐらいのころからしてたんだけど、まとめサイトさんの掲示板あたりのレスにもそういうのがあって、ちょっとこのゲームバランスは今までとは違うぞというのがわかってきた。現状女神は主力分を残して予備をすべて使い切ってしまったので、あとは決心を決めて大破進軍を続けるか、女神は使わないで攻略をするという段階になってきた。上記エントリーから機動部隊編成だけでなく、水上打撃部隊でも試しもし、機動部隊編成で打撃力マシマシでやってもみたんだけど、やはりボスマスでの与ダメは奮わない。洋上補給を使っても打撃力が回復しないどころか避けないので、これ自艦隊にデバフがゝゝってるんだろうなとは思うが、そのへんなんともねぇ。ニコ動やYoutubeでその後何度か成功事例も見てみたんだけど、装備あたりはほとんど違いがないのでその違いは何かとかぼんやり考えてた。



 で、結論を最初に述べてしまえば、今回の最終海域甲難度は、運営からの「母港課金だけではクリアさせてあげませんよ」というメッセーヂなのだと思う。その意図は母港拡張以外への課金誘導。もちろんその意図をあからさまにしたら嫌われるのはわかっているので、レヴェルキャップ外しなし、装備も改修なしのプレーヤーも出してる。が、プレーヤーに対するデバフというよりは敵艦隊に対するあからさまなバフは明らかだろう。装甲乱数というのがあって、通信から読み取れる敵キャラのステータスのうち、防御は何割かの範囲で変動する。その乱数を敵キャラに有利な発動率にする仕組みそのものは通信から読み取ることは不可能なので、運営としてはどうとでも操作できるわけだ。


 自分がE7に取りかゝる前からおかしな徴候というのはあって、それがRTA勢ですら様子見の時間をおくほど攻略が難しいとかそういう範囲でなく、周辺情報がそう。例えばどっかのまとめサイトさんの※欄か掲示板のレスだったのか忘れたが、ある鯖のDAUが1000を切っていたというのがあって、これはちょっと驚いたのだ。艦これは今でこそ新規登録が難しいということはないのだが、放置垢も含めて登録者数は400万人と言われてる。それが20ほどの鯖に、ばらつきはあっても分散しているわけで、単純に平均を取れば一鯖あたり20万人ということになる。DAUが1000ということだと、鯖のアクティヴ率はどう考えても1%を割っているわけで、鯖単体で見るとおそらく採算が取れてない。普通に人気のないネトゲのアクティブ割合だ。但し、アクティブ率の大きい鯖もあるだろうからどこまで実態に近いのかは難しいところ。
 艦これは登場時それまで札束で殴りあうほかのネトゲと比べて搾取度合いが薄いので人気を得た部分が大きい。あと簡単なシステムということがターゲット層を広く取るということにもつながって、登録者数が激増してブームになった。最初のころは多額の課金を促すほかのネトゲにうんざりしたプレーヤーが、その課金習慣から抜け切れないまゝカネを落としていたから運営も儲かっていたのだろう。ところが、特に登録者数が急増してた13秋や14春のイヴェントで運営はかなりやらかしており、自分の友人は13の9月に着任したゲマで、なんと13秋では武蔵を取った剛の者ではあったのだが、そのやらかした14春のイヴェントで見切りをつけて卒業。その友人は艦これは決してよいサーヴィスではないと人気絶頂のころから主張していたから、自分にはピンとこなかったのだが、今思えば慧眼だったと思う。自分もほとんどサンクコストを忌避して惰性でやってるようなものだから、心の奥底で運営は法律に関するトラブルでも起こしてサーヴィス終了にでもならんかなと思っているぐらいだ。まぁそう思うなら今すぐやめとけよという話ではあるが。


 自分は艦これはターゲット層を広く取り、母港課金程度で細々ではないだろうが息の長いサーヴィスを続けていくもんだと今まで勘違いしていたのだが、実情はちょっと違うようで、上述のとおり、それまでの課金上等のゲームにうんざりはしていたが、その習慣から抜け切れないプレーヤーの課金前提でイケイケの運営をしてたんだろうと思う。そういう経営が破綻してきたんじゃネェのといったところ。
 勘違いしてはいけないと思うのだが、艦これはシミュレーションでもなければ、ストラテジーでもない。シミュレーションであれば、何をシミュレートしてるの?ということになるし、ストラテジーであれば、プレーヤーには資材の概念があるのに、敵側はなんでそれが無いの?ということになる。今でこそDMMでの艦これのジャンル分けはシミュレーションになっているが、サーヴィス開始から数年はシミュレーションとは決して言ってなかった。運営はこれがシミュレーションでないことをわかっていたわけで、これは誠実だった。かといってRPGと言ってないというのがまぁお察しというところではある。戦略シミュレーションやストラテジーであればラスボスが最強というのは絶対にありえない。
 ところが、イヴェントのキャラや装備は先行実装でそう間もおかずに本実装ですべてのプレーヤーに入手できますよと言っていたのが今はどこ吹く風で、ターゲット層を広く取り込むのに有利だった簡単なシステムは複雑になるばかり。通常海域は充実しないのにイヴェントは勝手な理論で難易度が上がるばかりでなく、ゲームシステムは公開されていないのに、推測で解析されたシステムを熟知しても結局攻略できるかどうかは最終的には運というものが続いたのだから、これでライトな層が逃げないわけがない。先のアクティブ率が1%の鯖はとにかく人気があるからと駆け込んできた層や、垢の転売が集中した鯖なんだと思うが、しかし最低ラインから全体像をある範囲で推測することは十分可能なので、これはせっかく引き寄せた客を繋ぎとめる作業をしてこなかった結果なんだというのはわかる。
 が、商売の難しいところで、そういった駆け込み層まで含むライトな層をつなぎとめるだけの工夫をしたところで、それに見合ったリターンがあるかと言われると、それもまた無いと断言できるので、これは宣伝がうまかったしどうせ努力しても逃げる層に手厚い保護をする必要性ははいと言える。だから、大量に獲得した登録者を選別して、支持層をつなぎとめる工夫をすべきなのだが、これがまた難しい。先ほど自分が勘違いしていたと言及した、定期的なお布施で穏やかなプレイをする層よりも、とにかくゲームに入れ込んで重課金してくれる層のほうがカネ儲けにとってはありがたいわけで、そっちのほうを向いて商売する誘惑から逃げることはこれまた難しい。しかもそれは今のネトゲビジネスの主流。廃課金者のほうを向いて商売をすれば当座のカネ儲けにとっては都合がよいのだが、それは必然的に穏やかなプレーヤーの脱落を招くので、経営的には安定性を欠くと言わざるを得ない。それを解決するひとつの手法が難易度別制なのだが、今回は特にこゝが焦点になってる。
 もともと艦これには難易度がなく、この制度はあとから追加されたもの。当初はシステムは複雑ではなかったし、プレーヤーのやることゝ言えばキャラを全種そろえて、そう種類の多くない装備も必要最低限揃えれば、キャラのレヴェル上げぐらいだった。が、ゲーム廃人はあっという間にレヴェルカンストさせてしまうので、ネトゲが一番嫌う「プレーヤーのやることがなくなり、脱落を招く」という危機が早い段階で訪れた。そこで悪名高い13秋のイヴェントのように、とにかく運要素を大きくしてプレーヤーをゲームに拘束するということをやったのだが、あの当時を知るものはだれでも悪評価しかしてない。で、運営は14春でその失敗を繰り返す。その後結局難易度制が取り入れられるわけだが、基本あれはそれまでのイヴェントが難しすぎるから新規登録者も挑戦できるように簡単なものを用意したというだけの話しであって、一番難易度が大きいものはあくまでそれまでの艦これの標準ですよという立ち位置だった。上位報酬が欲しければ重課金をしてプレーヤー同士で争えというゲームを他に無課金でやってたりするが、そういうのはトロフィーカードは初めっからあきらめ(させ)ているので、まだ救いがあるといえる。艦これだと順位報酬はいわゆるランカー争いというところでは行われているが、イヴェントでその要素はなく、今更プレーヤーが勝手に盛り上がってるRTAを見苦しく取り入れるわけにもいかず、新規に導入するわけにも行かないわけで、だから課金を促すためにそれまでの方針を変えてハードルを引き上げるのはちょっと倫理的にどーなの?と思ってしまう。
 今回はそれが大きく変わった転回点であって、廃人もまったりプレーヤーでもデイリーやウィークリーなどをこなして手持ちを充実させていればクリアできるというのが甲難易度であって、今まで運営がTwitterで都合のよいところだけ公開してきた海域突破率を振り返ると、イヴェントに挑戦したプレーヤーの実に七割から九割ぐらいの変動幅で最高難易度をクリアしてきた。今回の運営の目的は、このプレーヤーに対して、「今まで最高難易度をクリアしてきたんだから今回もそうしたいでしょ、でも今回は運要素を高めてあるからクリアしたいんなら母港以外にも課金してね」というのを仕込むこと。これは今回ダメでも将来また同じような運要素を高めたイヴェントを用意するから、それは課金が必要なレヴェルキャップを外しているとクリアが容易だから是非検討してねというのも含む。イヴェントも終盤に差し掛かり、いわゆるテンプレ構成をよく見かけるのだが、そのほとんどが「レヴェルキャップ外し、スロット枠増設、撃沈回避のエリクサー」と課金要素全開のものが当たり前のように貼られてる。まぁこの流れは確かに運営もうまいなと感心した。ネトゲの攻略情報はうっかりすると全員が顧客だと思ってしまうが、ネトゲ業界にいる友人は「どれがどうとはいえないけども、個人が提供しているという体裁の攻略情報も実は運営が自覚的に流してるものがある」とも言っていたわけで、全部が全部信用できるわけでもないのだが、クリア者が少なければ少ないほど、クリアした者の達成感は凄いわけで、どうしてもプレーヤー側として公開したいという動機は高まる。で、おそらくそういう雰囲気作りには長けていて実際にそのようになっているんだろう。なんて業の深いと自分は思ってしまうのだが、人の心理をうまく突いているという点では感心してしまう。
 で、今回はその初期の頃からの流れに乗っかってイヴェント攻略をしている中堅プレーヤーを一時的にでも廃課金方向に促す役割があるのであって、それはやはりまとめサイトさんの※欄に、「海域クリアまでエリクサーを買い込んだ」というのが見えるところからしてある程度の成功を収めたとみるしかない。この方向性の転換はまだ様子見の段階であって、次のイヴェントの参加詳細も含めて方針が本決まりになるか転換を強いられるのかという段階だろうか、正直運営はこのサーヴィスを長続きさせたいわけではないんだろうなというのが透けて見えてちょっと失望した。新規登録者は0になるわけではないが、もうほゞ飽和状態であって、他に面白そうなゲームができ、登録者がそっちのほうに目を奪われることの可能性を考えたら、DAUは減りこそすれ増えることは長期的に見たら絶対無いのだから、個人的には古くからのプレーヤーを大切にするサーヴィスを続けて欲しかったという気持ち。まぁネットの評判を見る限り、あまりよい印象ではないようだから、しばらくはおとなしい運営方針になるかもしれない。演習相手に甲10でありながら、アークロイヤルのレヴェルが高かったりするのをよく見かけるようになってきたので、個人的には冷静なプレーヤーだなと尊敬に近いものを感じることが多くなった。
 自分も22〜25あった資材が10〜12になり、割と状況は絶望的だというのもあって許されるのかどうかという段階なんだろうなとは思うが、いちおう愚痴を言うにしても結果が出てからよりは出る前に言うほうがよいだろうということで。
 物販方面はロイヤリティを受け取る側だからアレだけど、この前の富士急コラボはおそらく運営からのカネの持ち出しが多かったろう。富士急ハイランドは首都圏にいる友人に話を聞く限りとにかくアクセスが悪くてヘタしたら宿泊込みにならざるを得ないとか言ってたから、あまり集客数は稼げなかったはず。ハイランド側にしてみれば逆にコラボで艦これ側に払うロイヤリティはおそらくなくて、1/1模型をおいたりイヴェントのコストは運営が出すだろうから客が少ないと宣伝効果も無く利益は出てないはず。実はあの模型を作成したというのはチャレンヂとしては評価してはいるのだが、まぁゲーム会社が利益を考えるとやるべきものではなく、文化慈善事業に近い赤字覚悟のものだからやるべきではなかったろうとは思う。そのつけをプレーヤーに払わせるというのであれば言語道断だと思うのでまぁいろいろ垂れ流した次第。