ふらいんぐうぃっち 第12話

 まづ千夏にローブを作ってやったんだな。
 ねぷた祭をヒキにもってきていつも通りのまったりとした時間を描写して終わり。続編があるとしてもおかしくない感じかな。まぁ普通にこれで終わりだろうけど。なんのかんのいって姉が居ついちゃってるというのがいちおう地域おこしとまではいわないまでもそれなりのアピールなんかなといったところ。
 この雰囲気自体は好きなんだけど、最初の頃に感じられた、動きはないんだけど濃密な感じってのが後半になって感じられなくなったのが個人的には惜しい。とはいえ、それはスタッフの責任というよりは、自分がこの作品の雰囲気に慣れてしまって流して視聴するようになった自分の責任のような気がする。結局話の終わりに開示されるすっとぼけたオチを期待して、それまでの流れをたゞの伏線ぐらいと思ってしまっていたのだろう。なんかもったいない鑑賞方法ではある。
 が、なんというか、本作はどちらかというと、なにかと話の起伏を求め、飽きさせないことを強いる都市の喧騒とは逆の立ち位置で、これこそが表現したいことの一つなんだろう。今回のエンドロールで今更目にしてそうだったのかと気付いたのが、海外セールス担当の文字。こんな欲望を掻き立てゝ消費を促し、競争を煽って搾取を試みるグローバリズムとは対置の関係なんで、おそらくこれは発展途上国というよりは先進国向けと考えていると思う。そうなると、本来西洋由来のはずの魔女という扱いがジャパニーズローカルになっており、これは筋が悪いんじゃないかという気がしないでもない。別に原作者がワールドワイドに考えているとも思われず、個人的には別に欧米を羨ましくも思い積極的に輸入してきた日本の立ち居地を考えると、日本限定でこういうのはアリだと思っているのでどうでもよいといえばそう。
 しかしまぁこれはなんか社会的な問題提起って側面はほとんど感じられず、そういう強い主張はないのだけども個人的にはスマッシュヒット的な作品ではありました。贅沢言わせて貰えば、春から盛夏までだったから、一年通してみたかったかなと。