甲鉄城のカバネリ 第4話

 今回が特別ってワケでもないんだけど、象徴的な回ではあったな。
 どうやら菖蒲が英雄ポジヽョンということらしい、まぁそうならざるを得んわな。最初菖蒲から親鍵を奪い、その親鍵で避難民もろとも後続車両を切り離そうとした連中はまさに自民盗のメタファーで、親鍵は権力の記号、そしてその権力を用いて庶民を切り捨てる所業がまさにそのもの。あの連中がそのまゝ甲鉄城を差配し続けたらどうなるかってのは、自民盗が権力を使い放題にしたら日本がどうなったか?というので描く必要がなく、そうでない世界を示すためにこういう展開にならざるを得ない。が、残念なことに菖蒲のような英雄は既存勢力の中には見出すことができず、かといってそれを待ち続けるだけではずっと日本に近代はこないということになる。だからフィクションだと割り切って英雄を登場させてきたということなんだろうけど、それがゆえに本作が大人向けでなく少年少女向けというのがもしかするとこれで示されたのかな。
 今回は自分にとって社会構造というよりはむしろ個人の覚悟みたいなものがよく見えた回だったかも。あとこれ見よがしに少女キャラの目元をわざとぼかして色気を見せてきたのが凄いフェチだなと。実際の戦場ではおそらく兵士は泥まみれ、死体は土気色だろうから、無味乾燥ってイメーヂなんだけど、この色気の描写でキャラの行動原理がありとあらゆる欲が基になっているって提示のような気がして、描写されている殺し合いが実は本当の殺し合いではなく、それに限りなく近いが、なにか別のものであるというほのめかしという気がしないでもない。