放浪息子 第7話

 高槻、動揺するの巻。
 安那とつきあい始めるのも唐突なのだが、まぁよくオッケーするよなという。まぁ安那は安那でもともと二鳥修一が気になっていたんだろうけど、軽い、軽すぎる。別に肉体関係とかいうんじゃないから、尻軽というつもりもないんだけど、なんかノリがよくわからん。
 高槻と千葉の対決も面白いな。二鳥を振った?(もしかして保留しただけ?)はずの高槻が、二鳥から安那のことを聞かされて「え?、あ、そ、そうなの」みたいな表情をするってのも上手くあらわされていたよな。多分仲良しとしてつきあうってのを嫌がって、自分の生き方を優先させたら、他人にもってかれてショックみたいな。それでも安那とつきあっていると聞かされてからは、誤解されないよう距離をとっていたのが面白い。別に高槻は、二鳥とは男女関係を意識しない友達として仲良く過ごすという選択をしてもいゝわけなんだが、しないという形をとって(とらせて)いる。もちろん視聴者向けには「男でありたいと思っている高槻は、実は女の子の要素がたっぷり」なんて提示をしているわけなんだが、ハーレム萌えアニメによく見られるような、主人公が色とりどりの女の子に同時に好かれて多重のつきあいをするってのは避けているよな。
 で、オモロイのが、中学生といえども「相手のいる異性には近づかない」、つまり異性を横取りしないという不文律を前提にしてるところ。抜け駆け云々はともかく、安那のモノとわかった瞬間、高槻だけでなく千葉もきっぱりあきらめる、というか手を引くという体裁をとっているのだ。千葉も二鳥のことゝなると、同性には肉食獣のように攻撃的なんだが、じゃぁ異性に対しても肉食か?と言われると、あくまで相手に選んでもらうという形をとっている。で、千葉が同性に対して攻撃的だからといって、ライバルを蹴落とすということもやってない。
 なんか千葉がかわいそうになってくるな。これが昔の若者宿のような場があったとしたら、多分周囲は千葉に同情的だろ。二鳥は高槻が好きでも、高槻はその気がない、でも千葉は二鳥が大好きで、ツンツンしているが、男女間のルールは守る。で、肝心の二鳥は安那にふらふらっとくるぐらいだから、こりゃ周囲がマトモなら二鳥に諭すと思うんだよな。二鳥に彼女が出来て学校に行けなくなるほどショックを受けるぐらいだから、千葉って一途だよな。他人に攻撃的といっても筋は通しているし、絶対いゝ嫁さんになると思うんだよ。まぁ安那は基本当たらず触らずの無難な人当たりだからどうでもいゝ…というか非難するとかしないという範疇ではないんだが、どっちつかずの状態に満足して後悔する高槻とか、ふらふらとその場の雰囲気でくっついたりはなれたりするような二鳥とかより、千葉のほうが人間的によっぽど誠実だと思うんだよねぇ。こういう関係の軽重のつけ方がうまいというか。なんか誠がおいてきぼりになってはいるけど。
 もしかして放浪息子の放浪って、自分(二鳥修一)の気持ちがあやふやで、ふらふらとゞっちつかずの状態のことを言ってるんだろうか?。