魔法少女まどか★マギカ 第11話

 ほむほむが吐露しなければ、まどかは決心しなかったのではないか?。
 うーん、コメントし辛いな。物語としてのフォーマットは新しくないってのは以前から言っていることなのだが、それだけに完成度は高い。報われない主人公の戦いってのはジャンヌダルクからとっていたのか、なるほどと思ったり、守られていた主人公が周囲の想いを無駄にしないため立ち上がるなど、まどかのヒロインからヒーローへの脱皮など、アツいものがある。で、現実と理想とのバランスが良く取れてるよな〜。で、こういう展開ってのは、まさに現実ではめったに見られないが、現実に居ると夢見る展開ではある。中高生の頃だったら、こういう展開はわかったようなフリをしてしまうんだけど、社会人として年齢を重ねてきた今ならこういう世界観が身に沁みてわかってしまう。
 最后のまどかの登場なんて、アレだろ、高倉健が出てくるヤクザ映画の展開そのもの。今、スポンサーが嫌うのか、必殺シリーズのような勧善懲悪モノがほとんどドラマでも放映されないんだけど、その、「視聴者が一番見たい物語をアニメが担う」って構造なのかな。今の時代「悪」の正体がわかってしまっているから、悪が登場するだけで現実の当事者が想起され、それを回避させられてしまう。だから悪がなにかというのを「全員に内在するもの」とか、それとはわからないように細工しなければならないという。それでもキュウべえを隠しもせずに登場させているし、まどかはキュウべえが悪だと認識した上で、彼を利用することを決断する。相手が汚い手を使ってくる以上、こちらがキレイ事だけで何とかする事は不可能ってのをちゃんと示しているんだよな。そこらへん愛だの勇気だので解決するなんてごまかしはしてない。
 正直設定とか会話あたりに齟齬を感じたりするんだけど、言葉遊びの部分にとらわれても視聴して楽しくないわな。こむずかしいことは後にするとして、今はこの物語の激情に身を任すのが正しい時間の使い方なんかなと思った次第。