出張に出掛けて。

 最近自滅する地方 焼津編 - シートン俗物記を読んでブックマークしていたのだが、すぐこの惨状を目の当たりにするとは思っても見なかった。今回の出張先はホント典型的な地方都市だったんだけど、数年前訪れたときに感じた印象からすると、酷く寂れたような感じがした。なにしろ駅近辺(といってもかなり歩くんだけど)にあった百貨店は閉店、その近くにあったスーパーも潰れており、アーケード街も土曜日の夕方というのにシャッターを下ろしている店が半分以上。飲食店も飲み屋以外は激減で、看板があっても中はがらんどう。結局昨日の夕飯はファミレスの派生型のような店で摂った。
 リンク先のエントリーにもあったとおり、コンビニもあまり無く、郊外型大型店舗が中心部の客を奪う形になっていた。律儀にジャスコ系列の店であるところも一緒。全国規模でこういう現象が起こっているんだろう。自民党による日本の破壊力は凄まじいものがある。自民党といえば土建屋なのだが、上記のアーケード街も新規店舗の工事をやっていた。どうせ客なんてこないんだから、店の新築にしろ改築にせよ、やっぱり土建屋が儲かって終いって形になるだろう。でもそうやって地元民の金を巻き上げなきゃ仕事すら無いってのが現状なんだと思う。
 で、駅から出張先まで徒歩だったのだが、ビックリしたのが私塾の多いこと。寂れたとはいえ地方の中核都市だから、それなりのレヴェルの高校があったりするのだが、どれだけ利用者がいるのかわからないが塾の看板がやたら目立った。自民党の悪政のめくらましのために学校教育が破壊されていることが恨めしい。これで書店も少ないのだから目も当てられない。都市はまだ人が多い分、安い給料を我慢すればまだ仕事自体が無いってことが少なく、質の良し悪しはともかく、情報に触れる機会があるってのがまだ救われる。地方都市は再生のためのポイントオブノーリターンをとっくに過ぎ去っているように感じた。まだ最近まで町政が敷かれていた自分が住んでいるトコのほうが小規模ながらマシだと思った。
 実は出張中というか、今日中にパラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)を読了した。これが読みやすく、またよくまとまっている本なので感心したのだが、この中にも地方復興のヒントは隠されているような気がした。この人は賢いんだろうなと思う反面、最近のエントリー国家生き残り戦略としての日本語リストラ - michikaifu’s diaryなんかを読む*1と、日本を離れている関係からかちょっとズれているような気もする。まぁこの本自体は面白かったのでまた気が向いたら感想を書くにせよ、地方が疲弊したのを実感したよっていうこと以外はなんのオチもなくエントリーを閉じる。

*1:うーん、学習内容を平易化すると基礎学力が向上するとの説明で実施されたゆとり教育のもたらした結果が、壮絶な基礎力低下だったというのと同じ臭いがする。