魔法遣いに大切なこと 〜夏のソラ〜 第7話「岐路」

 ひよりは豪太にホの字なのか?。
 黒田の挫折と周囲のフォロー。っつーか、研修での失敗例のうち、時計の字の件は黒田にそんなに責任はないような気が。不手際を全部黒田に押し付けていた指導教官も随分アレだが。欠けた焼き物の修復の件にしたって、いつもできていたことがあの場で出来なかったのならなじられて当然だが、元々やれなかったことをやらせたのなら教官に責任があるような。そりゃ実現不可能な依頼を、断ることも含めてどう切り抜けるか?という指導ならわかりもするが、あらかじめ依頼書で確認できるんだろうしな。
 まぁそんなわけで、今一黒田の挫折って本当に本人だけの責任なの?ということが頭に残っていたために、どうも懐疑的に眺めてはいた。ただし、客の理不尽を乗り越えた豪太の描写があっただけに、黒田が人間的に弱いということは納得できる内容になっている。なんというか、黒田は今巷で取りざたされている今時の若者のメタファーだよな。それこそコードギアスの日経インタビュー記事ではないが、努力しなくても都合よく自分の思い通りになることを信じまっているという。
 ただし、黒田は上から目線であっても、必ずしも努力しない人間だという描写はないし、自分の弱さを最終的には認めるという設定になっている。多分黒田の指導教官は上記で述べた通り、あまり指導者として適当ではない人なんだろうが、大人の手助けで立ち直るというのは、自立という観点から避けられるべきだろう。で、友人関係が最終的な立ち直りの起点っていうのも、ある意味リアリティを感じさせた。
 といっても、友達を持てばすべて解決するという安直なものではない。「こんな状況で立ち直るためには、多分本人の存在を認めてくれる友達による呼びかけしか今のところ解決の可能性は低い」というもの。そもそも今時のひきこもりにそんな友達がいるのかどうか怪しいものだが、少なくともそれ以外の解決方法は、今回のそれよりもっと格段に確率は低いと思う。
 で、黒田は中学高校でひきこもりになる層のメタファーでもあるとは思うのだが、そうだとしてもひきこもりの中ではかなり少ない層であるとはいえる。ある程度の能力があり、憎まれ口だとしても人と会話が出来て友人といえないまでも人間関係の構築が可能な人間だ。で、先ほども述べた通り、自分の弱さを友人の支えもあってか認めることができるわけで、ひきこもりの中でもかなり上澄みの層ではあると思う。というより、これからゆとり世代が社会に出てくる段階になっているわけだが、入社して研修段階にある新入社員のメタファーといったほうが適切かもしれない。
 ソラが倒れて、不治の病設定がようやく現れたか?と思ったら、タダの風邪らしい。あんまりその設定に引き摺られるのもダメなんですかね?。