スターシップ・オペレーターズのターゲット層は誰か 年齢・性別

 どっちから考察していいのか迷うところですが、まずは年齢層、性別から。
 考察なんて大層なことを言わなくても容易に想像できるのですが、もったいをつけながら書いていきます。「ふたりはプリキュア」という女児向け番組がありますが、ネット上ではいわゆる大きなお兄さん層にも受けています。ネット上でこの番組のターゲット層を記したプレゼン用の資料を見る機会があったのですが、まったく番組側の意図どおりであることがわかりました。広い範囲でとらえると4〜12歳女児、16〜35歳男性の2つの層が想定されていたのです。実際には小学校高学年女子、高校男子、30以上の男子はサブターゲット扱いであり、それすらも大きく外れていないように思います。あくまで推測ですけど。ですからこのスターシップ・オペレーターズが気に入らないからといっても、そもそも相手にされていない層という可能性だって考えられるわけです。
 まず、本作品はSFテイストであることから容易に予測できるように、中学生〜大学生男子がメインターゲット層だと思われます。社会人以降の男性もうまく引き付けられればDVDを大人買いしてくれる優良顧客層になりうるのでターゲット扱いにしても良く、実際にそれらの層に届くようなメッセージも読み取れるのですが、あくまでサブターゲット扱いなんだと思われます。重要な鍵は放映時刻の18:00だと思われます。そもそもアニメに強い関心がある層は、大人だろうと子供だろうとビデオなどに撮って追いかけてくれるので時間帯を気にする必要がありません。最深夜帯にあるのならなおさらファン層にむけての番組作りなわけです。だが、夕方のいわばアニメゴールデンタイムなわけです。学校から帰って他にやることが無いからテレビをつけ、テレビ番組でも他局のニュースなどよりはアニメを選択する層(私が高校生のときはここにいたに違いない)なわけです。受験や就職や仕事に追いまくられて塾や学校、仕事場に貼り付けになっている層ではないと思うわけです。話の筋よりは絵の派手さやそれっぽいというだけで満足する人たちなんじゃないでしょうか。中高生は理科や数学に対する意欲がかなり低下しているという一般認識があり、アニメに対しての国の理解が最近はあるようですから、もしかすると公的機関から金を引っ張ることができたのかもしれません。長くなりましたが、男子通学層というのを一つ確認しておきます。
 女性層なんですが、ちょっと思いつきません。登場人物に女性が多いことから男性層に受けるような作りかなと思わせる反面、描かれる人物には意志の強い女性が多く、男性に都合の良いような描かれ方をされていることが少ないよう(女性視聴者が自分と登場人物を同一視しやすい。この場合女性の登場人物が多いことは引っ張ってくる女性層が多くなることに結びつく)に思われます。登場人物の男性にも柔らかなお坊ちゃんのキスカ、侠気のあるタカイ、優しく気の利きそうなシント、頼りになり支えてくれそうな機関長(本当はコウキと書くべきでしょうが)など、それぞれ魅力的な個性をもった人物が揃っています。年配の渋いおじさんタイプが少ないところを見ると、せいぜい30ぐらいまでの女性がターゲットかと思われます。川瀬浩平氏はF1層(20代前半の女性)をよく気にされるのでそこも範囲でしょうが、メインターゲットとしてはやっぱり通学層でしょう。男性登場人物をどう見るかについては、通学層は同じ学校の生徒または教員、20代は同僚やすぐ上の上司だったりするのだと思います。原作の挿絵ではもうちょっときわどい絵柄だったのがアニメ版では地味目になっているのも女性への配慮でしょう。ただ、女性層と男性層を比べると男性のほうに力点があるとは思います。うーん。やっぱり自信が無い。どなたかアニメショウかなんかに行かれた人で資料をご覧になられた方はいらっしゃいますか?
 まぁ、どっちにしろアニメファンよりは“これからアニメファンになってくれそうな層”に向けて作られている感じがします。いや、そんな層に向けてだからこそ糞ストーリーラインではいけないという意見はわかるのですが。叩かれることが多い作品にガンダムSEEDシリーズがありますが、おそらくこの作品よりターゲット層は広いと思われます。文句をあれだけ言われても商売として成功しているのは驚くべきことですわ。

 あ、長くなりますので、原作既読層へ向けてか未読層へ向けてかはまた次の機会に。